橋の上

4/9 土、4/10 日

仕事を終えて、8時頃家につく。すぐにシャワーを浴びて、コンビニで買ったサラダを食べながら髪を乾かす。しっかりと化粧まで終えて10時すぎに家を出る。
東中野へ向かう。土曜日のこの時間の、なんとなく満足そうな疲労感を顔にうかべ帰路につく人々の間をぬって、目的地に向かっていることにわくわくする。東中野の街はとても静かで、月がやけに際立ってきれいで、私も静かな気持ちになって映画館まで歩く。

4時間超の大作である、『親密さ』をみる。この映画に夜明けのシーンがあることを聞いて、わざわざオールナイトにやってきた。場内は満席だった。
1部をみおわってあと2時間、持つだろうかと少し不安になったが、2部の舞台劇がはじまりすぐに引き込まれた。画面から目を離せずに終始緊張して、姿勢をただして見ていた。突き刺さるような台詞がいくつかあった。ラストシーンがとても美しかった。

映画館の外に出ると、映画の二人が歩いていくロングシーンとほとんど同じくらいの夜明け空がひろがっており、疲労感と幸福感でふらふらとする。
電車に乗りながら、丸子橋にそのまま向かうことに決める。武蔵小杉で降りて人気のない街を歩く。
橋の上は、祝福をあびたような朝6時の空気に満ちていて、私は立ち止まって向こうに東横線が走るのを眺めながら、映画のシーンを何度も反芻してしみじみと幸せを味わった。

バスの中で眠気が頂点に達していることに気づくが、
家に帰りいざ布団のなかに潜り込むと、明るいせいか興奮しているせいか、寝付くまでに時間がかかる。
9時から14時頃まで眠ったと思う。すっきりと起きて洗濯をしながら、土曜の夜をオールナイト見て過ごすのは悪くないな、と思う。
ただ夕方頃にラーメンとお酒を飲んでしまったのがよくなくて、また布団に戻り熟睡してしまった。
暗くなって起き出して、Mさんに映画の感想をつらつらとかいて送る。こんなとめどない感想を聞いてくれるひとがいるのは嬉しい。書き出してしまうととても気分が良くなった。
布団の中で眠りに落ちたり、ぼんやり起きていたりを繰り返す。何もしない、自堕落。