映画とコインランドリー

4/14 木

5時に目がさめる。昨晩、部屋の中が息苦しくてあけておいた窓から、ひんやりとした朝の空気が入ってくる。布団を首まで引っ張りあげる。昨日は仕事を休んだ。頭痛があったのは本当だけど、休むほどでもなかった。ゴミ出しだけ済ませて延々と寝続けていた。カーテンが風にあおられて、ときどき顔にあたるのが心地よかった。

坂本慎太郎を聴きながら、職場まで自転車をこぐ。肌寒いくらいの気温だったけど、薄曇りで湿り気があるせいか、じっとりと汗をかく。締めつけられるようで我慢できず、ロッカールームで服の中からブラジャーを引っ張りだす。息ができる。最近は着替えながらも音楽を聴いている。坂本慎太郎の仮面をはずさないで、が好き。

働きながら土曜日にみた『親密さ』の余韻の中にまだ居るな、と感じる。直接的にどうこう、というわけじゃないけど、映画を見たという経験自体に救われることはあるものだ。映画館を出たときの世界が新しく輪郭を取りだしていくあの感覚。止めようもなく流れ去っていく毎日にスクリーンから漏れ出た光が当たる瞬間。もっと映画を見ようと心にきめる。

帰宅。雨にうたれていた洗濯物をもういちど洗濯機の中へ放り込む。でかいIKEAの袋にどさどさ入るだけの洗濯物を入れて、コインランドリーに行く。コインランドリーって自分の部屋の次に好きな場所かもしれない。暖かくて夜でも明るくて良い匂いがする。人がいないとなお良い。ヘミングウェイの「清潔で、とても明るいところ」という短編のことを、いつも思い出す。